しょぼえびブログ

1年半でやっと5000PV達成したしょぼいブログ(*'ω'*)

【小説】病人

 「物凄く体がだるいので、今日も休んでも良いですか?」

 
朝7時に鳴った目覚ましの5回目のスヌーズを止めて布団から這い出たが、どうにも身体が重い。
昨日会社で腹痛を起こし、午後休をもらったのだが、今日になってもどうも体調がすっきりしない。
いつもの出勤時間まであと10分、何とか自分を奮い立たせコンタクトレンズを入れて鏡の中に写る自分を見る。
むくんでいるのか、いつもよりたるんだ皮膚と、出来ては治らない顎のニキビの赤さが酷く目立った。
 
(そういえば、昨日風呂に入っていないんだった。)
私は油が少し浮かんだ髪を見て思う。
それに酷く寝汗をかいたせいで、皮膚もベタベタしている。
(こんな状態で会社に行きたくないな…それに頭も痛い気がするし…)
重い足取りで布団の上に戻る。
夏の間中ひきっぱなしだった布団は汗を吸ってじっとりと湿っているような気がした。
(少し歩いただけなのに、凄くだるい気がする。こんな状態で仕事するなんて無理だ…)
そう思い、会社携帯を取り出すも中々決心はつかない。
 
7時58分
今日は午前中に資料をお客さんに持って行かないといけないし…
午後からは上司と一緒に打ち合わせに行くことになってるし…
 
7時59分
けど、こんなにだるくちゃ結局事務所に行ってとって返すだけになるかもしれない。
けど無理すれば行けれるぐらいだし…
これだから病弱は。って思われるんじゃないだろうか…
 
8時00分
どうせ今から準備しても間に合わない。
ーー休もう。
 
そう決心したものの、上司になんて言おうか、なんと言われるかが不安で携帯を握りしめたまま固まってしまう。
「ダメだ」と言われない事は分かっていたけれども、それでも何故か休むことに後ろめたさがある。
いつもそうだ。
それは自分が小学校の頃から一度も皆勤賞を貰ったことがないからかもしれない。
私は小学校の頃、持病の喘息でよく学校を休む生徒だった。
喘息と言う病気は奇妙なもので、夜と朝は症状が酷く、死ぬんじゃないかと思うほど呼吸が苦しくなるが、昼になると落ち着いてしまう。
だからか、いつもズル休みをしていると思われるのではないかという不安があった。
 
8時01分
…もうダメだ。電話をしよう。
 
電話履歴から上司の名前を探し電話をかける。
形態を耳に当てると緊張する間もなくワンコールでつながった。
「おはよう。どうした?」
「ちょっと物凄く体がだるいので、今日も休んでも良いですか?」
「大丈夫?良いよ良いよ。今日の打ち合わせは俺だけで行くから。」
「すみません。なんか昨日ちょっと熱もあって…37.2度ですけど…」
37.2度を熱と言えるか謎だと自分でも思う。
とにかく休むのに正当な理由があると訴えたいだけなのかもしれない。
「とりあえず、ゆっくり休みなよ」
「ありがとうございます。」
電話を切ると急にコンタクトレンズをつけて、赤いニキビだけをかろうじてファンデーションで隠して出勤の準備をした自分が馬鹿らしくなってきた。
 
(休むのは権利、体調が悪い時に仕事をしてもしょうがない。)
そう自分に言い聞かせるが、何か後ろめたいものがある。
他の人はなぜ、休まずに仕事が出来るのだろう?
それが不思議でしょうがない。
腹痛、頭痛、吐き気、だるさ、熱、生理痛…
月に1回は体調不良になる。
その度にわめていていてはしょうがないのだが、とても平常心ではいられず誰かに話したりSNSに書き込んでしまう。
そうするともちろん誰かが「大丈夫?」と心配してくれるのだが、そんな風にすぐ騒ぎ立ててしまう自分も嫌だった。
「またかよコイツ」と思われていないか、「心配してアピールうざい」と思われていないか。
騒ぐだけ騒いでいつも大したことの無い病気じゃないかと呆れられないか。
そんな風に思いながらもつい書き込んでしまう。
それは上司への電話の様に「私には休むのに正当な理由がある」と自分に言い聞かせているかのようにも思えた。
 

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日中に寝るとなぜか夜よりも寝れる気がする。
11時53分。
眼を開けると遮光カーテン越しに太陽が見えた。
 
こうやって自分が寝ている間にも変わらず会社の人は仕事をしているのだと考えると不思議な気分になる。
まるで世界から取り残されたような気もするし、お前なんて最初からいてもいなくても変わらないよという現実を突きつけられたような感じもする。
 
「体調が悪くて休んでいるのか、それとも休みたくて体調が悪くなっているのか。」
ふとそんなことを考えてしまった。
 
自分は休みたいから病気のふりをしているのではないだろうか?
休みたいから体調が悪いと思い込んでいるだけじゃなのか?
本当はどこも悪くなんてないのに。
だから休むのが後ろめたいんじゃないだろうか?
 
「病は気から」という言葉がある。
腹痛になるのも、頭痛になるのも、すべて気の病だとしたら…
本当は気のせいにすぎないのに、ちょっとの異変を騒ぎ立てて休む口実としているだけなら…
自分が今感じているこの頭痛は他の人にとっては日常茶飯事で「こんな少しの痛みで休むなんて!」というレベルのものだとしたら…
周りの人も自分と同じように体調が悪くなる時はあるが我慢して働いているとしたら
…そうだとしたら自分は根性無しのホラ吹き野郎だ。
 
だから医者に行っても何の診断も得られずにいつも適当な薬をもらって帰ってくるんじゃないか?
実は病弱に見える自分が一番健康なんじゃないか?
何も異常がない!それは健康そのものじゃないか!
それならばいっそ誰もが心配するような大病になってしまいたい。
手術して入院して、それなら誰にも文句を言われずに休むことが出来るだろう!!
 
私は冬になると「体調不良」で必ず休む。
人間は太陽光が少ないと精神的に落ち込んでしまう性質があるらしい。
風邪でも胃腸炎でも盲腸でもなかった私に下された診断は「適応障害」という心の病だった。
 

 

…な~んて。

体調悪い日の事を小説にしてみたりしました(笑)

 

ほんと、些細な事でくよくよ悩むので「小説にでも出来そうだ、このネガティブ野郎め!」と思い、自分を罵りながら書きました(笑)

なかなか面白いので、これからも趣味でこんな風に書くかも…?
(けど飽き性だからね!★)
 
せっかくなので、小説投稿サイトにでも掲載しておこう。
と、また色々やることが増えてしまっている自分(笑)