「アイデアの教科書」という本を良く調べずに買ったら電通の本だった。
自分的には電通にはあまりいいイメージが無い。
いや、「あまり」ではなく「かなり」かもしれない。
それなのに適当にブックオフオンラインでまとめ買いしたら電通本が混ざってて仰天した。
でもまぁせっかくだし(薄いし)読んでやるかと思って読んでみた。
結局読み終えても何か良く分からなかったので、せっかくだから電通「鬼十則」についてツッコミを入れてみようかなと思った。
1.仕事は自ら「創る」べきで、与えられるべきでない。
ならみんな起業家になって電通で働かなくても自分で会社作ればいいよね!
2.仕事とは、先手先手と「働き掛け」て行くことで、受け身でやるものではない。
先手先手が間違った方向だったらどうするんやろ?
「部長!先手を打って資料作りました!」「いや、全然求めてたものと違うわ~やり直しね★」
3.「大きな仕事」と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
ひろゆきさんが「大金をくれるクライアントばかり重視して、いざそのクライアントと付き合いが終わってしまえば一気に会社が傾いてしまう」って言ってたよ。
4.「難しい仕事」を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
たまには逃げてもいいんじゃない?
5.取り組んだら「放すな」、殺されても放すな、目的完遂までは…。
これが電通の社員さんが自殺してしまった時に問題となった一文ですね。
正直言って殺されたら目的完遂出来ないから馬鹿としか言いようない。
そんなにしがみついている暇あれば他の事探した方が絶対いいと思いますけど。
捕まえた魚が重すぎて溺れ死ぬミサゴみたいなのを目指せっていうんですかね。
6.周囲を「引きずり回せ」引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
ブラック環境生産機ですね。
こういう無茶ぶりに対応してしまう会社があるからブラック企業が増えたのではと思う。
7.「計画」を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
言ってることは分かるけど人生計画通りにはいかないと考えた方がいいですよね。
8.「自信」を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚みすらない。
自信がないだけで酷い言われようですね。
けど、「自信持て」って言われて持てるならみんな持ってますよ??
9.頭は常に「全回転」、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
そんな風に毎日過ごしてたら早死にしそうですね。
10.「摩擦を怖れるな」、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
乾布摩擦はあまり好きではありません(*'ω'*)
最後の方段々めんどくさくなってきた(笑)
とりあえず読んで思うのは「至極真っ当な事を言っているように見えるから(5以外)恐ろしい」って感じですね。
けどこういうのって他人から「こうあるべきだ!」と言われて従うものではなくて、自分から「こんな風に頑張るぞ!」と自発的に考えないと意味がないと思うんですよね。
もう文章全体から「こうあるべき」オーラがムンムンして吐き気が出そうですもん。
自分には絶対合わない。
けど、「この十則にハッとさせられました。」「素晴らしい心意気!」って喜ぶ人もいるんだろうなと思います。
最後にちょっとした実験の話をします。
「性の心理学」に関する特別な討論会へ参加する資格を与えられた2グループの学生。ただし、参加するにはまず「加入儀式」を受けなければならない。
1つ目のグループに課された儀式は、官能小説の過激なセックスシーンを読み上げるという、学生にとっては非常に恥ずかしいものだった。
もう一方のグループは辞書に載っている性的な単語を読み上げるだけで良かった。
その後ようやく討論会への参加が認められたが、その討論会は意図的に退屈な内容にしてあった。
あまりのつまらなさに普通なら誰でも参加したことを後悔するレベルだ。
テープが終わると学生たちは討論の感想を聞かれた。
さほど恥ずかしくない加入儀式を受けたグループは「つまらなかった。」と答えた。当然だ。
一方非常に恥ずかしい儀式を受けたグループはどうだったか?
彼らはその討論を刺激的で興味深いと評価した。発言者全体についても、頭がよくて感じもいいという印象を持ったという。
とても、もう一方のグループと同じテープを聞いていたとは思えなかった。
彼らに何が起こったのか?
もしあなたが大変な努力をしてまで参加した討論会が、嘘のようにつまらなかったらどうだろう?
つまらなかったと認めることはわざわざがんばった自分がバカだったと認める事にもなる。
その状態で自尊心を守るためには、素晴らしい討論会だったと思い込むしかない。
(失敗の科学より 若干文章を変えています)
人間の認知的不協和とはこういうものらしいです。
恐ろしいですね。
■上の例の様に人は自分の信念と相反する事実を突きつけられると自分の過ちを認めるよりも、事実の解釈を変えてしまう…という事例がたくさん載っていて本当に面白いです。
去年読んだ本の中でも1位かもしれないお勧めの本です。